帝王切開カウンセラーの処方箋「それはそれ、これはこれ」④何かあったら言ってね

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私は約30年前に初めての帝王切開出産を体験しました。
その後さらに2回体験。盲腸など含めると6回の手術経験があります。
当事者と医療者双方の声を聞いていて思うのは、コミュニケーションの不足と、主役である女性が声を上げられていないということ。
心の奥の怒りとともに「それはそれ、これはこれ」
帝王切開出産の心の処方箋をお出しします。

【何かあったら言ってね】

帝王切開で出産することが決まり、ドキドキの女性。
まさか自分が帝王切開するなんて想像もしていなかったので、もちろん知識も持ち合わせていません。
わかっているのは「麻酔をして、おなかを切る」ことくらい。
痛いらしい・・どこが?どのくらい?想像もつきませんよね。

「帝王切開にしましょう」と言われ、戸惑っていた時
助産師さんがこうおっしゃいました。
「やれることはあるから、何かあったら言ってね」

やれることはある。
何をしてもらう?何ができる?どこまで希望していい?
とにかく 「?」 が頭の中にいっぱい。
自分の出産なのに、何も浮かばない。出産の時間は近づいてくる。

「帝王切開は手術だから、考えても無駄・・と思っていた」という方にお会いすることも多いです。
その気持ちわかります。手術が生まれて初めてだとなおさらね。
でも、それはそれ。
じつは自分がやれることはたくさんあるのです。

自分の出産です。
おなかに傷を持つのも自分です。
自分がやれることがあることをまずはしっかり確認しましょう。
知識があれば意思表示ができます。これが一番大切。
「術中、何か気をつけておいたほうがいいことはありますか?」「話しかけてもらえたら安心します」と伝えるだけでも納得のいく出産に近づきます。

「やれることはあるから、何かあったら言ってね」
その一言はとてもありがたいし、その一言があったおかげで言えたママもいらっしゃる。
医療者にとっては、“やれること”もちゃんと準備できているのだと思います。

でもこれはこれ。
その「何か」を伝えてあげてほしいのです。
生まれて初めての手術という方がほとんどです。
医療用語もわからないし、同意書の小さな字も不安で読めない。怖くて涙が溢れてくる。
医療者に話しかけて怒られたらどうしよう・・そんなことを思っている女性もいます。

「術中、手を握っていますよ。」
「こんなことができますが、どうしますか」


どうぞ「言葉で伝えること」で、女性自身が心身の健康と笑顔を守っていけますように。


執筆者プロフィール

細田恭子
さいたま市在住。帝王切開で三姉妹を出産し、
2000年にWEBサイト「くもといっしょに」を開設。帝王切開カウンセラーとして、各地で講座やお話し会を開催。共著『ママのための帝王切開の本』『帝王切開で出産したママに贈る30のエール』(中央法規出版)趣味はミュージカル観劇

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