孫育て、初心者マークで出発進行!【産む】

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まんなか世代よりちょっと先輩方的に言えば
「嫁に出した娘が外孫の出産のため里帰りをした」という感じだろうか。
コロナ禍も数年め、出生率も低下する中、2022年11月、娘が私をおばあちゃんにしてくれた。
娘夫婦は子育て初心者マーク、私は孫育てと新人ママ見守りが初心者マーク。
3ヶ月半(116日)という里帰りの貴重な時間は、私の根っこを太くし、ちっちゃい自分が露呈した時間でもあった。
みんなが初心者マークをくっつけて、未来人育て出発!

「私の出産」

私は3回帝王切開で出産した。
1人めは、予定日を10日過ぎても兆候がなく、促進剤を使ったがお産が進まず、胎盤機能が低下したため緊急帝王切開。
2人めは、陣痛が来たけれど子宮口が広がらず、ラミナリアと人工破膜も体験した。
結局、陣痛と麻酔の注射と術後の痛みのすべてを経験した出産になった。
3人目でようやくゆっくりと帝王切開を味わい、出産に集中することができた。

2度の流産も合わせると、私の出産はなんだか落ち着かず、心が揺れ動くものだった。

「7号サイズの娘」

今回、母になった娘は痩せ型。7号サイズの服を着る人。

健康だしパワフルだが、見た目で判断すると「妊娠」に関しては心配のほうが大きかった。

でも有難いことに新しい命が宿り、次第に大きくなっていくおなかを見ながら、今度は「無事に出産できるかしら」という心配がやってくる。

体重が12~13キロ増えたが、やせ型の娘にはちょうどいい感じ。

そして「帝王切開でもいいから無事に産まれてきてくれますように」と願っている自分に、「帝王切開でもいいから・・・ってなんだ?その言い方」と自分で突っ込みを入れていた。

「予定日は予定の日」

予定日が近づき、“入院中に私がしておくことリスト”も受け取り、心構えはできたがなにしろ赤ちゃんが「生まれよう」と思わないことには始まらない。

私ならうろたえそうだが、娘は「予定日は予定の日だからね」と動じない。

これまでもママたちが傷ついたり、心がざわつく言葉「まだなの?」「帝王切開で産んじゃったら?」などたくさん聞いてきたので、言う側の心も冷静に分析している自分が可笑しかった。

「それは午前2時から始まった」

予定日を3日過ぎたその日の午前2時。

娘が「破水したかも・・」と私を起こした。

産院に連絡すると「来てください」とのことなので、娘と大きなカバンを載せて、久しぶりに夜中のドライブ。

初産だし、たぶん明日だろうと思いながら、娘に「しっかり産んでおいで」と声をかけ、1人帰路についた。
コロナ禍、立ち会えるのは夫のみ。
今回、義息子は福岡からオンライン立ち会いの予定で、ドキドキして電話をくれた彼にも「たぶん明日以降だと思うよ」と告げた。
ところが、なんと娘はその日の夕方、陣痛が来てから14時間で出産した。

しかも3700グラムを超すビッグベビーを!
7号サイズの服を着る娘が、経膣分娩で3700グラムの赤ちゃんを産み、電話口で「やり切った~!」と伝えてくれた。

「こんな人もいるんだ・・」というのが率直な感想。

出産に対して心にもやもやを抱えている母たちの声を20年以上聞いてきた帝王切開カウンセラーとして、まさに「身近な人の産む」を違う視点から見つめることができた、私にとっても分岐点になった日である。

さぁ、初心者マークで孫育て出発!

 


執筆者プロフィール

細田恭子
さいたま市在住。帝王切開で三姉妹を出産し、
2000年にWEBサイト「くもといっしょに」を開設。帝王切開カウンセラーとして、各地で講座やお話し会を開催。共著『ママのための帝王切開の本』『帝王切開で出産したママに贈る30のエール』(中央法規出版)趣味はミュージカル観劇

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