『ぐるぐるゆるっと子育て@高齢出産』vol.22 新しい年 新しいわたしへ <今月のテーマ投稿>

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※まんなかタイムス2022年1月のテーマ投稿「2022年に思うこと」参加コラム

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こんにちは!かもみぃみるです。
2022年1月もあっという間。
「一月は行く、二月は逃げる、三月は去る」といい、年齢を重ねると時の流れを早く感じるようになると言いますが、まさに今の私はそんなふうに感じています。

結婚して17回目のお正月。3月に息子は16才になります。

私は前厄。いよいよ還暦へカウントダウンが大きくなってきました。

子育ての段階として「手を離すな」「目を離すな」「心を離すな」があると踏まえながら歩んできましたが、コロナの影響で必然的に家族と過ごす時間が増えるなか、いよいよ最終段階の心でつながって息子の自立、自活を促しながら少し離れて見守るようなスタンスになっていることに気がつきました。

結婚してからの10年間は、長期休暇のほとんどは愛知県に離れて住まう夫の実家へ赴き、嫁として務めながら息子が小3のお正月に義母、小5のお正月に義父を看取りました。
結婚して2年を過ぎたころ「実家に帰ってはならない」という義父の強い言葉に戸惑いながらも逆らうことができず。義父の葬儀が終って落ち着くまでの7~8年間は実家には冠婚葬祭以外で帰ることはありませんでした。

関西の街中、商家に育った私と、地方も異なる教員一族で育った相方。実家と義実家は同じ東海道筋にありながらも、相方が育った町は古いしきたりや風習が多く残っているところでした。とりわけ相方の家は家柄や職業を重んじるところがあり、結婚後まもなく戸惑いや困難を感じるようになっていきました。相方と義両親の間に大きな価値観の違いがあったことも私には大きなプレッシャーとなりました。

出会ってすぐに直感的に「この人と家族になろう」と感じ、3カ月もたたないうちに遠距離のまま入籍。まもなく息子を授かり、ふたりだけで会うことすらほとんどなかった私たち。互いのこともよくわからないうちに義両親からの大きな期待やら要望やら、自分たちの暮らしや家族としての地盤を固める前に次から次へと荒波が押し寄せるようで、その日その時を踏みとどまって生きることだけで精一杯でした。

日頃離れて暮らすことに申し訳なさを感じながら、長男、長男の嫁、跡継ぎ孫への要望に応えるべく、3人でなんとか頑張るのですが、私たちにできることと義両親が望むことの折り合いがつくことは難しく、結局最後まで分かりあえず。仕方のないこともあるとようやく含めおくことができるようになりましたが、渦中にいるときは、産後のひだちが悪く、体調を崩しながら遠距離介護と育児のダブルケアとなったため、何度も幼い息子を残して私が先に死んでしまうのではないかと心身ともに追い詰められていました。

さて。
昨年は年の瀬が近づくにつれて「いつもどおり」にやることよりも「一息ついて整えたい」と思うようになりました。
それまでの流れで「当たり前」になっていたり、「ねばならない」と囚われて無理をしていたりする自分に気づいたのです。楽しいはずの年末年始なのに、やることに追われていつもくたくたに。
義両親を見送って5年も経ち、一昨年にはマイホームを購入。息子が高校生となって環境は大きく変化しているのに、意識はずっと変わらずに何かにとらわれたように重たく、息苦しさが続いていました。

私の仕事は女性の心身の健全な在り様に寄り添ってサポートすること。
にもかかわらず、結婚から今日までの17年は、心身のバランスを損ない、不安定で危うい状態が続いてきたと振り返ります。

ここまでなんとかふみとどまれたのは、時折自分を客観視して、危うい状態にある自分をもうひとりの自分がわかっていて支えることができたことと、息子の成長を見守りながら、相方となんとか離れずに歩んできた日々の暮らしの積み重ねだけが確かな足跡をよすがと感じられているからです。

自分の生まれ育った家で。
社会に出てからの20年あまり。
結婚して新しい家族と共に過ごした時間。
次に向かうのは、新しく築いてきた家族をベースに「私自身を取り戻す」「私を生きる」時代です。

環境や立場が変わるとき、私はまず、まわりの状況や求められるものから物事を見立て取り組もうとします。自分がどうありたいかの前に相手や場が何をすれば喜んでくれて調和できるだろうと。
それゆえに新しい環境になれるまでにかなり神経と体力を消耗することになります。

何を考えてるの?
どんなふうに感じているの?
どんなときに笑顔になるの?

「私がどうしたいのか」よりも「相手が何をのぞむのか」を優先させるのが私。
優しいとか謙虚だからではなく、他者と調和した状態でないと精神的に負担が大きくて息苦しくなる自分を守ることが必要だから。
相手に快適に、好ましいと思ってもらえる環境こそが、私にとっての快適な関係性であり居心地の良さにつながるのです。
相手との相性によってはうまくいかないこともあります。
幸か不幸か、私にその気づきをもたらしてくれたのが相方の存在でした。

親、学校、職場などで、私はずっとまわりに求められることは何かに意識を集中して生きてきたのですが、相方にはそれが通じないどころか、相手を混乱、困惑させ、かえって失礼で迷惑な行為だと受け取られてしまいます。

信頼しているし、うまくわかりあいたいのに、私が良かれと思うことがそのようには受け取られない。何度も何度も話し合いや行き違い、時に大きくお互いを傷つけあいながらの17年。

暮れも押し迫ったある夜に、家族で話し合う機会があり、息子が長年の私たち夫婦の行き違いの種を見つけて解説してくれました。
個としての役割をしっかり果たすことから始める相方と、相手の性格や希望を理解して互いに心地よい関係づくりから始めたい私。
互いに相手や家族を大切にしたいと思いながら、スタンスの違いが大きく違いが大きなネックになっていたのです。

ある占いに自分軸、他人軸という見立て方がありましたが、まさに相方は自分軸。私は他人軸だったのかーと。
挫折感や絶望を何度も感じながら、息子が巣立ったら卒婚か別れるしかないかもと、あきらめの境地に至りそうだった私の心に一筋の光が見えたような年越しになりました。

息子は守ってあげる存在から、私たちに気づきや力を与えてくれる存在に成長してくれたことがうれしく、ありがたく。
すーっと霧が晴れ、重い鎖から解き放たれたような。

年齢はどんどん重なってゆき、もうすぐ還暦だけど、今、私の心はどんどんシンプルに純粋になっていくように感じています。
幼い頃、若い頃、独身時代に思い描いていた自分の好きなことや大切にしたいこと、チャレンジしたかったことに今一度向かっていけそうな力がどこからか湧いてきています。

老いてなお。
これまでの歩みがあってこそ。
無邪気に、元気で、年齢なりに。
私自身を今一度正面に置いて。周りの皆さんとの関係性を大切にしながら。
やりたいことを存分に楽しむぞー!

皆さまにとってもご健康で明るく楽しいことがたくさんありますように。


<かもみぃみるのプロフィール>

1963年生まれ。41歳で結婚、42歳で出産した一人息子は現在高1。産後は体調を崩すなか、孤育てや介護、看取りも経験しました。音楽と踊りが大好き。結婚までの、そして結婚後の様々な職歴と学びを活かして、女性の心身のウェルネスをサポートする講座やレッスンのほか、話せる場づくりやお悩み相談も行っています。「その人らしさを大切に。ゆるめること、ながめること、味わうことでよりよく生きる」を目指しています。

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