2022年11月、娘が私をおばあちゃんにしてくれた。
娘夫婦は子育て初心者マーク、私は孫育てと新人ママ見守りが初心者マーク。
3ヶ月半(116日)という里帰りの貴重な時間は、私の根っこを太くし、弱いところが露呈した時間でもあった。
みんなが初心者マークをくっつけた未来人育ての記録。
「31年前の記憶」
私が初めて育児をしたのは里帰り先の仙台の実家。
5月の仙台はまだ寒い日も多く、夜中に起きるのも辛かった記憶がある。
新生児育ての毎日の仕事のひとつが沐浴。
赤ちゃんのお風呂。
生まれたばかりの赤ちゃんは細菌などへの抵抗力が弱いため、大人と一緒のお風呂ではなく、ベビーバスなどを使う。
私の記憶にある仙台での赤ちゃんの沐浴は、畳の部屋にビニールシートを敷いて、そこにプラスチックの大きなベビーバスを置き、バケツで何度もお湯を入れてやっと準備完了。
終わったら、お湯を捨てるために今度はベビーバスからバケツでお湯をお風呂場に運ぶ・・の繰り返し。
その準備をたぶんほとんど母がしてくれたと思う。じつはまったく記憶がない。
自分のことに必死で、そのあたりのことを覚えていない。
「エアーに進化」
さて、30年経った最近の沐浴事情。
まず驚いたのはベビーバスがビニールプールのようになっていたこと。
エアータイプのお風呂は、軽い!持ち運び簡単!キッチンのシンクでできるので腰がラク。湯温を調整して、ちょうどいい温度で入れられる。お湯を簡単に抜くことができる。
もちろん、キッチンなので包丁や割れ物、食器用洗剤など危ないものも多いが、そこは細心の注意を払って片付けるので、ありがたいことに我が家のキッチンがいつもよりきれいだった。
なによりも寒い浴室ではなく、暖かいリビングでできるので、ママと赤ちゃんの体にも優しい。
ちょうど真ん中にストッパーのポンプがついていて、赤ちゃんが滑らないような作りになっている。
洗うときにはちょっと邪魔ではあるが、写真を撮るときにプライベートゾーン撮影防止のためにはとっても必要な部分だった。
「耳はふさがない」
もちろん洗い方も変わっていた。
一番のビックリは「耳をふさがなくていい」こと。
これは娘に聞いたのではなく、あるベビー用品売り場のプレママセミナー担当の店員さんに教えていただいたこと。
たぶん娘から聞いていたら「本当にいいの?」「大丈夫なの?」「お母さんの頃はね・・」を繰り返していただろう。
でも私が自分の耳で聞いたから受け入れられた。
同世代の店員さんの言葉だから聞けた。
おかげで余計な一言を言わなくて済んだ。
親世代のアップデート、絶対必要!
「極上の時間をともに」
時々、お湯にぷか~っと黄色いものが浮かぶこともあったが、それもご愛敬。
いい湯加減に「ぶは~」っと気持ち良い顔をする孫に癒される、極上の時間だ。
人生の始まりのお風呂も、終わりのお風呂も誰かの手助けが必要だとしたら、双方が楽しみな時間にするための進化は、とてもありがたいことなのだと思った。
執筆者プロフィール
細田恭子
さいたま市在住。帝王切開で三姉妹を出産し、
2000年にWEBサイト「くもといっしょに」を開設。帝王切開カウンセラーとして、各地で講座やお話し会を開催。共著『ママのための帝王切開の本』『帝王切開で出産したママに贈る30のエール』(中央法規出版)趣味はミュージカル観劇