孫育て、初心者マークで出発進行!5 【育児と介護】

2022年11月、娘が私をおばあちゃんにしてくれた。

娘夫婦は子育て初心者マーク、私は孫育てと新人ママ見守りが初心者マーク。

3ヶ月半(116日)という里帰りの貴重な時間は、私の根っこを太くし、弱いところが露呈した時間でもあった。
みんなが初心者マークをくっつけた未来人育ての記録。

※※※

「出す」

生まれたばかりの人を見ていると、「生きてるな~」と感動することが何度もある。

たとえばぐびっぐびっと音をたてておっぱいを飲む。

それでも足りないと顔を真っ赤にして「もっと~!」と怒る。

ミルクを足して、満足するとうとうとし始める。
縦抱きにして「げぷっ」っと大きなげっぷをする。恥ずかしそうに・・ではなく誇らしげに。

そしてしばらくすると「出す」

おならとともにいいニオイがしてくる。

所構わず、大人の都合もお構いなしだ。

今おむつを替えたばかりでもするし、今替えたばかりのバスタオルに漏れることもある。
でも大人は「お~♪出たね~。良かったね~」と出たことを喜ぶ。

「父の介護」

私の父は2019年に亡くなった。

晩年は難病の「進行性核状性麻痺」で体が思うように動かなくなり、一人で歩けていたのに、杖なしでは歩けなくなり、歩行器が必要になり、そのうち歩行器でも見ていて怖いくらいよろけるようになった。

美味しいものが大好きで、うれしそうに食事をしていたのに、手が震えてこぼすようになり、手先もおぼつかなくなり、食事に1時間近くかかるようになった。

大の字で朝までぐっすり寝る人だったのに、夜のトイレに1時間おき(ひどいときは30分おき)に歩行器でふらふら歩いていくため、母がつき添うようになった。

オムツはしたくない。母もさせたくなくてトイレに付き添い、終わるまでトイレの外で待っていた。
「昨日も何度もトイレに行って寝てないの」
母に会うと疲れた顔でつぶやくようになった。

83歳差のひ孫を抱っこできました

「似て非なり」

育児と介護。似て非なり。

育児は、子どもの成長とともに手助けすることが少なくなり、どんどん自分でできるようになる。なにも入っていない容器に、様々な物を入れて行く行為だという人もいる。

介護は、容器に空いた穴をふさいで、少しでも中身がこぼれるのを防ぐこと。
これからここに向かっていく自分も、少しでもこぼれるのを遅くしたいと思う。

まんなか世代は育児と介護の両方を見聞きしている世代。
いかに必要な情報を得て、SOSを出せることが自分を救うかを知っている。

育児も介護も始まったばかりの初心者マークの人の背中をさすり、「ここに必要な情報があるから行ってみて」と言える人でありたい。
一人ぽっちで泣いている人の心に、少しでも余裕が生まれるように。


執筆者プロフィール

細田恭子
さいたま市在住。帝王切開で三姉妹を出産し、
2000年にWEBサイト「くもといっしょに」を開設。帝王切開カウンセラーとして、各地で講座やお話し会を開催。共著『ママのための帝王切開の本』『帝王切開で出産したママに贈る30のエール』(中央法規出版)趣味はミュージカル観劇

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